2011/11/26

PTSDと向き合う-1- #ptsd_jp #311care #jishin



前回は、PTSDの症状にいて書かせていただきました。

症状はとても辛いもので、PTSDになったばかりの時は、困惑したり
将来が見えなくなったり、極度に落ち込んだりと、ご本人にとっては「とても耐えられない」と
思うような日々が続くものです。
自傷行為をしたり、自殺を考えてしまう場合も多々あるでしょう。
「自分は狂ってしまったに違いない」と思いこんでしまう事もあるでしょう。

まずは、「自分に起きていることは異常なのではなく、あれだけ辛い経験をした後なのだから
正常な反応なんだ」という事を、ご自分に言い聞かせて上げて下さい。
通常では考えられないような体験をした後なのですから、頭の中の非常ベルが
鳴りっぱなしのような状態になって出てきている症状ですので、必要以上に
悲嘆する必要は有りません。かといって、辛いことには変わりはないですよね。

まずは眠れないときの対処法ですが、【無理に寝ようとしなくても大丈夫です】。
布団に横になって目をつぶっているだけでも、体の疲れは取れてきます。

どうしても眠れず、怖い記憶が蘇ってきた時などは、起き上がって電気を点けたり
洗面所へ行ってうがいをしたり、ちょっと体を動かしたりしてみて下さい。
ストレッチなども良いでしょう。
余力が有れば、ホットミルクなど作って飲んでみて下さい。

それでも怖い記憶がなかなか消えないときは、繰り返し腹式呼吸をしてみましょう。

1.まず、おへその下3センチくらいの所に、風船があるように意識をしてみましょう。
2.スッ…と、2秒くらいかけて、風船をふくらませる感じでお腹に空気を入れましょう。
3.一瞬止めた後、5秒くらいかけて、ゆっくりと風船から空気を抜いていきましょう。
4.目をつぶって行うと効果的です。

これを、心が落ち着いてくるまで、何度か繰り返してみて下さい。
この方法は、怖い夢などを見て目が覚め、辛い時などにも活用できます。

朝、悪夢を見て目が覚めると、極度の倦怠感で体が動かないこともあるでしょう。
状況が許す限り、思いっきり自分を甘やかしてあげて下さい。
布団に逃げ込んでもイイですし、ただダラダラとしていても構いません。
多少お部屋が散らかったからといって、それで死ぬことはありません。
余力のあるときに片付ければ良いのです。

今まで出来ていたことが何も出来なくなってしまった事について悲しくなることも多々あります。
時間はかかりますが、徐々に回復していきますから、あまり焦らないように
自分に言い聞かせて上げて下さい。

出来なくなったことを認めるのはとても辛い作業ですが、出来るようになった事もあります。
それは、【同じ思いをしている人達の心情が分かるようになった】事です。
これは、大きな財産です。

もし、震災後ストレスからPTSDになったお知り合いなどが出来るようであれば、
共に気持ちを共有し、「辛いよね、自分たち頑張って生きてるよね」と
お互いの頑張りを認め合うことが出来るようになるでしょう。

PTSDを抱えながら生きると言うことは、生死と向き合って生きると言うことです。
これが出来ている貴方は、決して弱い人ではなく、むしろ強い人です。
普通では考えられないような辛さと、日々向き合っているのですから。

次回からは、もうちょっと具体的に、色んな症状について触れたいと思います。