災害時地域精神保健医療活動ガイドライン より(精神科のお医者様からのガイドです)
下記に挙げるチェックリストは、主に現場の支援者が被災者のメンタルケアを
行うときに有効なものとなっています。
被災者自らが行うことも出来ますが、決して自己判断せず、気になることがある時には
支援者や医療チーム、医師団、精神科医に相談なさってください。
2パターンのチェックリストがありますが、どちらにも留意なさってください。
[はい・いいえ で解答するもの]
■今回の災害前に、何らかの大きな事故、災害の被害があった
■今回の災害によって、家族に不明・死亡・重傷者が出ている
■治療が中断し、薬が無くなっている(身体の病気を含む)
病名、薬品名を明記
■高齢者、乳幼児、障害者、傷病者、日本語の通じにくい者である
■家族に上記のような者がいる
[非常に・明らかに・多少・なし で解答するもの]
■落ち着かない・じっとできない
■話しがまとまらない・行動がちぐはぐ
■ぼんやりしている・反応がない
■怖がっている・おびえている
■泣いている・悲しんでいる
■不安そうである・心配している
■動悸・息が苦しい・震えがある
■興奮している・声が大きい
■災害発生以降眠れていない
必ずしも本人が書き込む必要はなく、支援者が世間話のようにして聞き、
今後も見守る必要性があるかどうかの判断材料にすることが出来る。
援助者自身の精神状態をチェックするのにも、この方法は有効である。
重篤である、悪化傾向にある、リスクが高いと思われる者、
二日以上の強い睡眠障害のある者に対しては、精神科医の指示をあおぐ。
こういった反応、行動は、震災後の反応としては正常なものである。
異常である、気が狂ってしまったなどと心配する必要のない事を伝える必要がある。
震災後から1ヶ月までは、ストレス反応として大局的にとらえ、基本的には
現実的な不安を解消するための情報や具体的な援助をし、自然の回復を待ち、
個別の重症例には、不眠や不安などの症状に対して投薬や相談などの対応をするのが
実際的である。
一時は、災害直後にトラウマ体験を話すようにうながす方法が取られていたが、
自然回復を阻害する場合もあるとして現在では推奨されていない。
この時期に被災者の健康度を高めるのは、顔を合わせ、声をかけ、
現実のニーズに対応することである。また、災害の規模、程度、復旧に関しての
正しい情報を与えることも必要である。
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